エアコン取り付け-電気配線その➀-
エアコン取り付けでは『専用回路工事』『電圧切替』『コンセント交換』『アース工事』『コンセント延長』が主な電気工事として施工することがあります。
電気を扱うので『第二種電気工事士』の資格が必須となり無資格で作業をした場合、電気工事法違反により厳しく罰されます。
専用回路とは
専用回路の増設は、配電盤からエアコンの設置場所まで配線を引き、コンセントを設置する作業です。PF管や塩ビ管を使用し外壁を取り回しても良いですし、床下や天井の隠蔽工事、ステップルを使用した露出配線や化粧モールを使用し回路を引きます。また、条件として
・コンセントの定格電流は、エアコンの消費電力に応じて、20A以上が必要です。・ブレーカーの定格電流は、コンセントの定格電流以上が必要です。・配線の線径は、エアコンの消費電力に応じて、2.0mm以上が必要です。
電圧切替とは
配電盤にて任意の回路の電源電圧を変更する作業です。エアコンの電源電圧は、一般的に100Vまたは200Vの2種類があります。エアコンの設置場所の電源電圧がエアコンの定格電圧と異なる場合は、電圧切替が必要となります。200V⇒100V。100V⇒200Vの作業となります。
電圧切替の作業手順は、以下のとおりです。
➀回路を調べる
分電盤の小ブレーカーに「リビングAC」と記載があった場合、多くの人はリビングのエアコンの回路だと思うでしょう。これが新しい物件であればよっぽど問題ないと思います。しかし、築年数が経ちリフォームをした後の物件では異なることがあります。リビングACと記載があっても、実は冷蔵庫の回路に分岐されていたりと罠が仕掛けられていることがあります。また、エアコン専用コンセントの下に二口コンセントがある場合は、エアコンコンセントから下のコンセントに渡っている可能性もあります。リフォームしている物件は電気配線が全く異なることが多いので細心の注意を図り確認しなければなりません。
➁電源を切る
エアコンの電源を切り、コンセントを抜きます。
③分電盤を開ける
分電盤の扉を開け、電圧切替を行うブレーカーの位置を確認します。
④電圧切替バーを移動する
スリムブレーカーの場合は、電圧切替バーをエアコンの定格電圧に合わせて移動します。従来のブレーカーの場合は、銅バーを組み換え白黒(100V)又は白赤(100V)になる様に繋ぎ直すか、黒赤(200V)になる様に繋ぎ変えます。
⑤電源を入れる
エアコンの電源を入れ、コンセントを差し込みます。ですが、念の為にブレーカーを上げる前にテスターで確認をした方が確実です。200V⇒100Vであれば機器が壊れることはありません。動かなくなるだけです。しかし、100V⇒200Vの場合は誤って通電させてしまうと機器が壊れてしまいます。機器を壊してしまった場合は責任を取らなければなりません。
次回は『コンセント交換』『アース工事』『コンセント延長』について説明します。